dfコマンドはディスク容量を確認することができます。
サーバーなどでディスク容量がいっぱいになると多くのトラブルが発生します。ディスク容量はある程度の空きを持ちたいものです。
目次
- 1 dfコマンドとは
- 2 dfコマンドの構文
- 3 dfコマンドの利用例
- 3.1 マウント中のすべてのファイルシステムを表示 (オプションなし)
- 3.2 ファイルの保存中のファイルシステムを表示 (オプションなし)
- 3.3 1024のべき乗単位の表示 (-hオプション)
- 3.4 1000のべき乗単位の表示 (-Hオプション)
- 3.5 ディスク容量の代わりにinodeの使用率を表示 (-iオプション)
- 3.6 表示するリストの指定 (--outputオプション)
- 3.7 表示したリストの合計を表示 (--totalオプション)
- 3.8 ブロックサイズを変更 (-Bオプション)
- 3.9 ブロックサイズを1Kに変更 (-kオプション)
- 3.10 全てのファイルシステムの表示 (-aオプション)
- 3.11 ファイルシステムのタイプを表示 (-Tオプション)
- 3.12 特定のファイルタイプを表示 (-tオプション)
- 3.13 特定のファイルシステムのタイプを表示しない (-xオプション)
- 4 参考
dfコマンドとは
dfコマンドは、現在のディスク容量を確認することができます。
現在のディスク容量を確認することで、どのくらい余裕があるかを試算することができ、その後にディスク容量をどのように空けていくかの計画を立てることができます。
dfコマンドの構文
現在マウントされているすべてのファイルシステムの表示
1 |
df [option]... |
指定されているファイルを含むファイルシステムの表示
1 |
df [option]... file |
dfコマンドの利用例
マウント中のすべてのファイルシステムを表示
(オプションなし)
dfコマンドはマウント中のすべてのファイルシステムを表示できます。
表示される数値の単位はブロックサイズで、デフォルトでは、1024バイト単位になります。
コマンド例
1 |
df |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 udev 1999124 0 1999124 0% /dev tmpfs 404396 6112 398284 2% /run /dev/sda1 511801088 8106468 477673604 2% / tmpfs 2021968 212 2021756 1% /dev/shm tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock tmpfs 2021968 0 2021968 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder 976629756 15638020 960991736 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 404396 48 404348 1% /run/user/1000 |
ファイルの保存中のファイルシステムを表示
(オプションなし)
dfコマンドで、ファイルやディレクトリを指定するとそのファイルやディレクトリが保存されているファイルシステムを表示します。
コマンド例
1 |
df testfile |
実行結果
1 2 |
ファイルシス 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 /dev/sda1 511801088 8106468 477673604 2% / |
1024のべき乗単位の表示
(-hオプション)
-hオプションは、人が読みやすいように、数値を表示します。
数値は、1024のべき乗単位でMやGの文字で表示されます。
コマンド例
1 |
df -h |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置 udev 2.0G 0 2.0G 0% /dev tmpfs 395M 6.0M 389M 2% /run /dev/sda1 489G 7.8G 456G 2% / tmpfs 2.0G 212K 2.0G 1% /dev/shm tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock tmpfs 2.0G 0 2.0G 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder 932G 15G 917G 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 395M 48K 395M 1% /run/user/1000 |
1000のべき乗単位の表示
(-Hオプション)
-Hオプションは-hオプションと同じように人が読みやすい数値を表示します。
ただし、数値は1000のべき乗単位でMやGの文字で表示されます。
コマンド例
1 |
df -H |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置 udev 2.1G 0 2.1G 0% /dev tmpfs 415M 6.3M 408M 2% /run /dev/sda1 525G 8.4G 490G 2% / tmpfs 2.1G 218k 2.1G 1% /dev/shm tmpfs 5.3M 4.1k 5.3M 1% /run/lock tmpfs 2.1G 0 2.1G 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder 1.1T 17G 985G 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 415M 50k 415M 1% /run/user/1000 |
ディスク容量の代わりにinodeの使用率を表示
(-iオプション)
-iオプションは、ディスク容量の代わりにinodeの使用率を表示します。
inodeはindex nodeの略で、所有者情報やパーミッション、タイムスタンプ、ディスク上の場所などを管理しています。
コマンド例
1 |
df -i |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス Iノード I使用 I残り I使用% マウント位置 udev 499781 440 499341 1% /dev tmpfs 505492 586 504906 1% /run /dev/sda1 32505856 358654 32147202 2% / tmpfs 505492 9 505483 1% /dev/shm tmpfs 505492 5 505487 1% /run/lock tmpfs 505492 16 505476 1% /sys/fs/cgroup sharedfolder 1000 0 1000 0% /media/sf_sharedfolder tmpfs 505492 27 505465 1% /run/user/1000 |
表示するリストの指定
(--outputオプション)
--outputオプションは、dfコマンドで表示するフィールドを指定することができます。
--output=source,sizeのように記述すると、デバイス名とその合計容量を表示することができます。
何も指定しなかった場合は、表示できるすべてのリストを表示します。
また、表示できるリストは以下の表になります。
field_list | 意味 |
source | マウントポイントの元々の位置、デバイス名 |
fstype | ファイルシステムタイプ |
itotal | inodeの合計 |
iused | inodeの使用数 |
iavail | inodeの利用できる数 |
ipcent | iused/itotalの割合 |
size | ブロック(容量)の合計 |
used | ブロック(容量)の使用数 |
avail | ブロック(容量)の利用できる数 |
pcent | used/sizeの割合 |
file | ファイル名 |
target | マウントポイント |
コマンド例
1 |
df --output=source,size |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス 1K-ブロック udev 1999124 tmpfs 404396 /dev/sda1 511801088 tmpfs 2021968 tmpfs 5120 tmpfs 2021968 sharedfolder 976629756 tmpfs 404396 |
コマンド例
1 |
df --o=source,size |
表示したリストの合計を表示
(--totalオプション)
1 |
df --total |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
ファイルシス 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 udev 1999124 0 1999124 0% /dev tmpfs 404396 6120 398276 2% /run /dev/sda1 511801088 8106180 477673892 2% / tmpfs 2021968 212 2021756 1% /dev/shm tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock tmpfs 2021968 0 2021968 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder 976629756 15642116 960987640 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 404396 52 404344 1% /run/user/1000 total 1495287816 23754684 1445512116 2% - |
ブロックサイズを変更
(-Bオプション)
-Bオプションは、dfコマンドで表示されるディスク容量で使われるブロックサイズを変更することができます。また、変更前のデフォルトのサイズは1024バイトになります。
コマンド例では、ブロックサイズを1メガバイトの1,048,576バイトに変更しています。
コマンド例
1 |
df -B1M |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス 1M-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 udev 1953 0 1953 0% /dev tmpfs 395 6 389 2% /run /dev/sda1 499806 7917 466479 2% / tmpfs 1975 1 1975 1% /dev/shm tmpfs 5 1 5 1% /run/lock tmpfs 1975 0 1975 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder 953740 15276 938465 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 395 1 395 1% /run/user/1000 |
ブロックサイズを1Kに変更
(-kオプション)
-kオプションは、ブロックサイズを1024バイト、つまり1KBに変更します。
-kオプションは、-B1Kと同等の機能になります。
全てのファイルシステムの表示
(-aオプション)
-aオプションは、ダミーのファイルシステムやアクセスできないファイルシステムまで全てのファイルシステムを表示します。
コマンド例
1 |
df -a |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 |
ファイルシス 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 sysfs 0 0 0 - /sys proc 0 0 0 - /proc udev 1999124 0 1999124 0% /dev devpts 0 0 0 - /dev/pts tmpfs 404396 6120 398276 2% /run /dev/sda1 511801088 8106180 477673892 2% / securityfs 0 0 0 - /sys/kernel/security tmpfs 2021968 212 2021756 1% /dev/shm tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock tmpfs 2021968 0 2021968 0% /sys/fs/cgroup cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/systemd pstore 0 0 0 - /sys/fs/pstore cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/devices cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/net_cls,net_prio cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/cpu,cpuacct cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/blkio cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/memory cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/cpuset cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/pids cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/hugetlb cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/perf_event cgroup 0 0 0 - /sys/fs/cgroup/freezer systemd-1 - - - - /proc/sys/fs/binfmt_misc mqueue 0 0 0 - /dev/mqueue debugfs 0 0 0 - /sys/kernel/debug hugetlbfs 0 0 0 - /dev/hugepages fusectl 0 0 0 - /sys/fs/fuse/connections sharedfolder 976629756 15642116 960987640 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs 404396 52 404344 1% /run/user/1000 gvfsd-fuse 0 0 0 - /run/user/1000/gvfs binfmt_misc 0 0 0 - /proc/sys/fs/binfmt_misc |
ファイルシステムのタイプを表示
(-Tオプション)
-Tオプションは、nfsやext4等のファイルシステムのタイプを表示することができます。
コマンド例
1 |
df -T |
実行結果
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
ファイルシス タイプ 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 udev devtmpfs 1999124 0 1999124 0% /dev tmpfs tmpfs 404396 6120 398276 2% /run /dev/sda1 ext4 511801088 8106180 477673892 2% / tmpfs tmpfs 2021968 212 2021756 1% /dev/shm tmpfs tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock tmpfs tmpfs 2021968 0 2021968 0% /sys/fs/cgroup sharedfolder vboxsf 976629756 15642116 960987640 2% /media/sf_sharedfolder tmpfs tmpfs 404396 52 404344 1% /run/user/1000 |
特定のファイルタイプを表示
(-tオプション)
-tオプションは、特定のファイルシステムタイプを指定して、そのタイプを表示することができます。
コマンド例
1 |
df -t ext4 -t vboxsf -T |
実行結果
1 2 3 |
ファイルシス タイプ 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 /dev/sda1 ext4 511801088 8106180 477673892 2% / sharedfolder vboxsf 976629756 15642116 960987640 2% /media/sf_sharedfolder |
特定のファイルシステムのタイプを表示しない
(-xオプション)
-xオプションは、ファイルシステムのタイプを指定すると、そのタイプは表示しません。
コマンド例
1 |
df -x tmpfs -T |
実行結果
1 2 3 4 |
ファイルシス タイプ 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置 udev devtmpfs 1999124 0 1999124 0% /dev /dev/sda1 ext4 511801088 8106180 477673892 2% / sharedfolder vboxsf 976629756 15642116 960987640 2% /media/sf_sharedfolder |
参考
外部リンクGnu Coreutils
外部リンクGnu Coreutils日本語版